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名も無き言葉たち 散文 詩
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追いかける
追いかける
孤島まで
君がいる
暗闇まで

コンクリートの壁をぬい
ビルに埋もれた空を頼りに
追いかける
君がいる孤島まで

いつからここに
うずくまっていたのか
手を握られることなく
凍えていたのか

冷たい体
死人のように
氷のように
指先は
冷たい

ひとつ命を使って
ひとつ命をあたためる
いつつ言葉を出して
欠片ほど届かせる

手を繋ごう
外を歩こう
眩しいかもしれないけど
目が痛くて
皮膚が太陽の光にも
チリチリと
痛むかもしれないけれど

冷たい指先を
握り続ける
離れないように
しっかりと
力強く

逃げそうな
逃げていった
その冷たい心を
追いかける
追いかける

世界の果ての
孤島の
闇深き洞窟まで

拍手[2回]

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人はわかっても
自分がわからない

人の言葉が
気になっても
自分の言葉は
何を与えたか
わからない

一秒先の
簡単なことさえ
わからず仕舞い

終わってからの
思考の
後出しじゃんけん
繰り返す

後出しじゃんけんで
人を責める

ずるいずるい自分
自分にすら
気がつかない

先走ってしまったり
勘違いしてしまったり
余計なお世話だったり
不機嫌にさせたり
よかれと思っていたのに
変なところに向かったり

あなたが好きでも
そうじゃないみたいに
伝わってしまったり

怖くなって閉じこもり
顔を伏せて震える
外の景色が見えなくなり
声に耳を塞ぐ

それでも
少しだけ涙がおさまったら
立ち上がり
笑えるように
ほんの少しの笑顔を
浮かべて
ふるまって
また歩みだす

また時間は過ぎる
心は強くならなくとも
立ち直る治癒を
時の流れに
感じながら

拍手[1回]

臆病な少年は銃を手に取った
ナイフを持つ人間に刺される前に

些細な恐怖心から始まった
疑心暗鬼と孤独感
たくさんの裏切りと
優越感と
防衛反応から
こぶしを握る人間を警戒し
ナイフを手にした

少年は強くなった気がした
勇敢さを手に握っていると思った
体が武者震いした
何にでも勝てる気がして
初めて自分の存在を
誇示できるような気がした

少年は強くなって声を発した
声が聞き入れられることに
興奮を覚えた
しかし一方的な声に
心を荒立てるものが現れた
やがて増えて
少年と同じようにナイフを手にした

少年の声はたちまち届かなくなった
無視される恐怖心から
少年はもっと強さを欲した
このままやられてしまうのではないか
少年は仲間だと思っていた人間に
次々と手のひらを返され
誰も信用できなくなった

臆病さは想像をかきたてた
やがて妄想となり
少年の心を脅かした
一体誰が味方なのか
誰の言葉も信用できなくなった

臆病な少年は銃を手に取った
ナイフを持つ人間に刺される前に

前のように認めて欲しいと
自分の声を聞いて欲しいと
少年は銃を突きつけた
ナイフを捨てなければ撃つ
少年の脅しは通じなかった
お前のような人間を
認めるわけにはいかないと
周囲は口を揃えて言った

少年は恐怖に震えた
本気であることを見せつけようとした
臆病ではなく
勇敢であることを見せ付けようとした

少年は引き金を引く
仲間だった人間が一人息絶える
少年は理解できなかった
自分の言うことを聞いていれば
いや どうして僕は
弾丸を放ってしまったのか
ただ認めて欲しかっただけなのに
ただ声を受け入れて欲しかったのに

臆病な少年は
誰かの気持ちを考えることもなく
かつて仲間と呼んだ人間たちに
塗りつぶされて存在を失った

残されたものは
ノートの上にべったりと付いた
真っ黒な染みだけだった

拍手[1回]

声を聞きながら
いつの間にか眠る
心地よくて
抱かれるように眠る

起きてみれば
通話は途切れていて
目が覚めれば
夜の心地よさは
なくなっている

どこに行ったのと
手を虚空へ泳がせる
なくなってしまった声に
胸はチクチクと痛み出す

すり抜けてしまった
こぼれてしまった
ぬくもりたちが
地面に落ちてないかと
探し出す

また繋がってもいいですか
また抱かれてもいいですか
また声を聞きたい

寂しさと我慢と強がりと
月と雲と射光の淡さ
あなたを求める
暗闇の声なき叫び

拍手[1回]

長く冷たい
薄く引き伸ばされた
金箔よりも破れやすい
美しくもなく
しっとりもしていない
汚れきった膜に
油にまみれた
指が押し付けられる

跡がついて
べっとりと垂れ
こびりついた悪臭は
鼻についたまま

あなたに触れても
いいのかと
何度も問い直し
破れかけた膜に
涙を流し
乾いた笑いを浮かべる

もう終わってしまえば
もう美しくないから
このまま静かに
死に絶えていくならば
もう苦しまなくてすむだろうに
心は痛く
とても痛く
薄く引き延ばされて
そよ風にも
傷つけられそうになる

べっとりと染み付いた
べっとりと垂れてきた
洗っても落ちない

接点がなくなりそうで
欲しいものがあっても
遠いまま
未来は望めず
小さくしぼむ

油で汚れた指は
べたべたと
触れて汚れる
薄い膜

拍手[1回]

夢の中みたいに
霞がかっていて
はっきりと感じる
指先の彼方

あなたの気配
あるのわかってるのに
指がひとつずつ
霧になって消えていく

もう掴めない
こんな手じゃ
触れられない

手が消えて
怖くなってうずくまる
私はどうしたのと
問いかけながら
なくした手のひらを
ぼんやり眺める

もう触れられない
悲しい思いを
釘のように
心に打ち込んで
ようやく流す涙

標本のように
固まり動かずに
息をすることなく
閉じ込められた心

やがてこの先
美しかった過去として
眺めることもあるでしょう

遠い遠いあの日の
遠い遠いあなたの
遠い遠い届かぬ
美しき涙として

拍手[1回]

震えてる
ふるえてる

ふるふると
指先でつついたように
ゼリーが
泥のついた手で
掴まれてしまうように

怖いと感じ
傷つけられている
気持ちだけ膨れ上がる
耐えられなくなって
崩れ去り

落ちていく
おちこんでいく

どうして私だけが
どうして苦しい
自分だけが
世界の中で
不幸になったかのように

自分だけが
世界の中で
一番の悲劇を

怖くなって
体がすくむ

認めて欲しい
受け入れて欲しい
どうして
認められない
どうして
受け入れられない

否定ばかり
私ばかり
嫌悪ばかり
向けられて
心がすくむ
立ち止まる
一歩も
進めない

誰か助けてと
誰か誰かと
心の声と
暴れまわる
不安の
つんざこうとする先に
従って
流れて

私はここにいたい
私は受け入れられたい

誰かの声を聞きたい
抱きしめて欲しい
安心して
私は
生きていていいのだと
実感したい

誰もが思い浮かべる
夢のような形を
どこかに探して
地を見る
空を見る
山を見る
水を見る

生きていて
そこにいて
いいんだよと
教えられたいから

震えてる
ふるえている
落ち込んで
おちていっている
今をあがく

たった一言の
認め合いが欲しくて

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誠実さは「宝石」
優しさは「石」

付き合いは「利害」
情愛は「赤誠」

拍手[1回]

幾秒もの時間が長くて
幾時間の流れが短くて
離れている時間
一緒にいる時間
なぜこんなにも
苦しく切ない痛みに
嬉しさを与えたのか

恋をすれば一つ
新しい扉を開けて
新しい景色
嘘をついた
幾時間の流れの中
また心にしまって

思い出の空は
小さな箱の中に
仕舞い込んだまま
心の瞳で
見つめ続けている
もう少しだけ
また戻らせて

肩越しに振り返り
ふと笑っては
また歩き出す
明日という時間に
遠くなっていく過去に
背を向けながら
抱きかかえていく

拍手[1回]

もしかしたら
もしかしたら

もしかしたらの
もしかしたらで
遠いところ

初めにあった気持ちは
もしかしたらの
もしかしたらで
もしかしたらと
怖がってしまって
今はどこかわからない

もしかしたらの
もしかしたらでも
不安で怖くて

もしかしたらなんて
ないかもしれないのに
もしかしたらが
とまらなくなって

もしかしたら
もしかしたら

裏切りなんて
ないかもしれないのに
もしかしたら
でも
もしかしたら

わからなくなって
誰かにすがりつく

でも
もしかしたら
もしかしたら

とまらなくなって
疑ってしまって
謝ることもできずに
素直になりきれずに

もしかしたらの
もしかしたらを
もしかしてと考えて
もしかしたらと
立ち止まる

どこまで来てしまったの
もしかしたらで
居たくもない場所に
来てしまって

もしかしたら
もしかしたら

拍手[1回]

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