夢の中みたいに
霞がかっていて
はっきりと感じる
指先の彼方
あなたの気配
あるのわかってるのに
指がひとつずつ
霧になって消えていく
もう掴めない
こんな手じゃ
触れられない
手が消えて
怖くなってうずくまる
私はどうしたのと
問いかけながら
なくした手のひらを
ぼんやり眺める
もう触れられない
悲しい思いを
釘のように
心に打ち込んで
ようやく流す涙
標本のように
固まり動かずに
息をすることなく
閉じ込められた心
やがてこの先
美しかった過去として
眺めることもあるでしょう
遠い遠いあの日の
遠い遠いあなたの
遠い遠い届かぬ
美しき涙として
[1回]
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