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名も無き言葉たち 散文 詩
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この抽象たる姿を見
君は存在せぬと吐き捨てる

当然のことを言ったまでだと
理解の糸を垂らす前に
考えることをやめるのだ

自分がどこに住んでいるのか
どこに立とうとしているのかも
わかろうとせずに

やれ感動だ
やれ才能だと
写実の奥に
見ようとする抽象を
褒め称えているのに
抽象の奥に見える
写実性を見逃すのは
箱の穴覗きにしかならない

馬鹿は動かないもの
見えた
これは四角だ
嬉しがる君の姿を
僕はぐるりと回りながら見る

どうやら春には
つくしがたくさん出てくるようだと
散歩をしていて思ったものだが
もうここにいる必要はないようだ

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このまま離さないで
私が消えてしまわないように

少しでもぬくもりをください
凍えてしまわないように

何億の星の小さな輝き
見つけてもらった

もっと体の奥まで見つめて
小さな輝きの隅々まで

狂おしいほどの想いを
ぶつけさせて
大きな想いで

このまま二人
笑っていられたら
このまま永久に
繋がっていられたら

離さないで
だから私も
離したくはない

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子供みたいに
胸にむしゃぶりつく
あなたのかわいい姿

そっと抱き締め
いいよ
もっと甘えても
優しくささやきかける

忘れたくはない
静かな想いは
愛しさと重なって
あなたを求めたくなる

眠るように安らかに
小鳥がさえずるように心地よく
抱いていたい
包んでいたい

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古めかしいものを
なんぼあげつらったって
結局こびることにしかならないって
気がついて
全部捨てた
それ拾った人は
自分よりもはるかに上で
好きだと感じました
感想素直にくれた
人参生でぽりぽり食べながら
思い出した
ほのかな甘味
歯ごたえ
いい感じ
狙いすぎてて
いけなかったよなと
でも欲は出る
ピーマンよりも
苦いものを
生で食い続けなきゃ
ダメな日々もあるよね

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傍にいたいのに
誰よりも遠くて
近い人

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どう考えても
どうにもならんかった
やっぱり道筋がある
メンタルでも
技術でも
出来上がってくるには
積み上げられて
ようやく

もしこうだったらとか考えても
やっぱりどうにもならんかった
十五年
長いなあ
長すぎるほどだったけど
やっぱり
こうなっていくしかなかった
それで
ここまできた

長いな
長かったなあ
どう考えても
どうにもならんかった
やっぱり
自分が居る場所は
安定してないといかんなあ

十五年かかった

生まれたこと
突きつけて
問わなきゃ
死ぬか殺すか
どちらかしかなかったもんなあ
長かった
本当に長かった

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ぺろり
今日は一口舐めとって
なあにちょっとだけさ
ばれやしないとたかをくくる

次の日
ぺろりぺろり
なあにこのくらいじゃ
減ったことにはならない
ばれやしないと思う

また次の日
ぺろりぺろりぺろり
減ったような気もするが
なあにばれやしない
だがいささか不安

次の日
周囲を見ながら
ぺろりぺろり
止めようと思ったが
どうにも止まらない

また次の日
なんてことだ
舐めるものがついになくなった
だがもう腹の中に入ったものだ
戻すことなんてできない

ぺろり
口のまわりを舌なめずり
ここにいてもしょうがない
用はなくなったからもういいや

ぺろりぺろり

戻ってきて
全部なくなっているのを見た人
驚き言う
なんてことだ
あれはみんなで分かち合うものだったのに
いったい誰がこんなことを

ぺろりぺろり
あなたの周りに
こんな音が聞こえたら
大事なものを
舐めとっていかれるかも

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たった一言
その言葉が
出てくるか
出てこないかには
雲泥の差があり
私は泥の中で
もがき苦しむのみ

羽が生えているはずなのにと
手をばたつかせる滑稽な人間
チクショウめと
悔しがっても
カラスは悠々と
夕日に鳴き声を轟かせ
我を見下ろすのみ

怒ってはならない
悔しがってはならない
見下してはならない
受け入れるべきものも
受け入れられなくなり
成すべきことも
成せなくなる

わかっていても
心が言うことをきかない

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都会の人形たちは硫酸を浴びて
じりじりと肉を焼かれていくように
もがき逃れのた打ち回り夢を見る
ぶすぶすと朽ちていく心をぼかし
画面に映る麗しき幻想に抱かれようとする
手を伸ばし骨の見える指で
掴もうと掴もうと

誰のための命なのか
心を持とうと迷い続ける
見失い彷徨い枯れ果てる
涙をよこせ
優しさをよこせ
よこせよこせよこせ
心を潰し街というグロテスクな箱庭の中で
掴もうと掴もうと

壊れそうなのか
君の心は
君の優しさは
失くしていきそうなのか
君の感覚は
君の瞳の輝きは
騙され植えつけられ従いさせられ
それでも
掴もうと掴もうと

街を歩く血と肉は
街を動かす骨と飢えは
機械のように動く人形たちは
欲望という名の硫酸に溶かされていく

空を見たか
黒色の空を
ビルに塗りたくられた彩を
欲望の水の中でもがき
泥を巻き上げて濁らせた
希望の光が狭まっていくように
塗りつぶされていくように
人形たちが腕をもぎ足をもいで積み上げたビルの群

人形たちの足跡は怒号にも似た喧騒にすら消され
未来を望む声はか細く弱る
煽り立てるメインコンピューターの指令に逆らえずにいる

ある激しい雨の日
生まれ出でたあたたかな血と肉を持つ少女が赤い傘を差した
壊れ打ち捨てられた人形に
傘をそっと差し出した
人形は壊れた手を出せずに
少女をじっと暗い目で見ている
少女は雨が止むまでずっと傘を差し出していた

雨上がりの光
人形の濡れた顔に光が当たり
目元がきらりと光り
夜は明けてきていた
淡い熱を胸の奥にひそめ
いつか少女に恩返しをしようと
熱を冷まさぬよう
奥深くにしまい込んで
人形は願った
壊れるほどに
その願いを
掴もうと掴もうと
 

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緩やかな
傾斜をくだる
坂の下には
大きな鉄の杭
紫色の空は
晴れることなく
紫色の雨を降らす

緩やかな
傾斜をくだる
風を受けて
くだっていく
車輪はまわり
速さを増していく
車輪はよりいっそうまわり
もうすぐ杭に近づく

残すべき意思はなんだろう
伝えるべき形はなんだろう
もうすぐ散る
世の儚き
命の幻

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