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名も無き言葉たち 散文 詩
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この靴はよい靴
大事な人から勧められ
譲ってもらって履くけれど
0.5センチの小ささで
履き慣れずに
靴擦れを起こす

このまま足を慣らそうか
このまま靴を諦めようか
たった0.5センチの差が
靴擦れを起こす

他人のよいと思うものも
他人が酔いしれるような価値も
きっと0.5センチのズレで
小さかったり
ブカブカだったり

押しつけられても
押しつけても
窮屈だったり
うまく動けなかったり

長い間歩くには
ちょうどよい靴が必要で
他の人からもらう靴は
懸命に履き慣れるか
新しい靴を探すかしなければ
合わない靴で
ゆったりと歩くしかない

たった0.5センチの
小ささで
長い間歩くと
靴擦れを起こす

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開いては閉じ
また開いては閉じる
恐れの中に
引き込まれ

一編の詩にもならず
一片の言葉にもならず
立ち尽くしたように
口を開いたままのように
思考は麻痺していく

書く場所など
見つけられず
言葉を書き込んでは
闇に吸い込まれるよう

黙っていれば
崩れていく音
進もうとすれば
闇から聞こえる
不気味な音

崩されては
骨を折り
自らの音を聞く

軽い音を立てて
骨は折れる
足がもつれたように
闇に落ちる

文字を書けないまま
一編の詩にも
一片の言葉にも
ならないまま

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真鍮の
美しき像は
光り輝いている

心の美しき
狩人たちの
心の寄りどころであった

ある日
酔っ払いが
美しき真鍮の像へ
嘔吐した

ヘラヘラと笑い
酔いながら
周囲の集落へ
嘔吐の話を
伝えていった

そのうち
誇り高き狩人たちの
美しき真鍮の像の噂は
嘔吐物まみれだと
広まっていき
狩人たちの尊厳は失われた

たった一度の
たった一人の
酔っ払いの嘔吐により
狩人たちの誇りは
無残にも踏みにじられた

たった一つの
心ない邪悪な戯れで
狩人たちの怒りを
燃え上がらせた

怒り狂った狩人たちは
周囲の集落を
次々に襲い
焼き払い
大地を血に染めた

怒りは
憎しみと悲しみをあおり
沢山の心を火であぶり
消し炭へとかえていった

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すっかりのぺらとして
白い紙の上で途方にくれる
どこまでも続く白い世界の上で
断片的でぼやけた色を思い浮かべ
いつまでも絵を描けないでいる

言葉を失って
形にする力も消えていきそう
探し求めては肩を落とす
詩が書けなくなってしまい
感性が消えたのかと恐れる

古い廊下の軋む音
鉄くず落ちたドラム缶
切り裂かれた液晶テレビ
無造作すぎる世界そのもの
刹那そのもの

変わり果てた姿は
変わりゆく世界へ

記憶など
どこにもない

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誰も知らない
誰も知らない
誰も知らない
当たり前の孤独が
腐ったように臭う
こいつは逃げるよ
誰もかれも
あいつもこいつも
こいつは逃げるね
臭くて陰気だ
それからどうする
馬鹿らしいほど悩んで
明日を見失うのか
自分を見失うのか
声が届かないことの悲しみは
本当にちっぽけで
とるにたらないものかね

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悪意のない悪党が一番悪い
その意味は悪意があれば相手を選ぶが悪意がなければ際限なく被害を及ぼす
という意味だろうな

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小さな静寂
微細な振動
ゆるやかな下降
見えてくる先
夜の時間

昼間
太い銀色の
鉄柵の上に
トンボが二匹

青空の下
濡れたアスファルトの上
じきに真ん中にある空気も
激しい雨

雨に打たれて
落ちていく
夜に寝転び
文字を落とす

少しだけ
少しだけ
何かが消えて
身軽になる

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ああ、終わったんだなあと、思った。それはとても、晴れた日の、青空で、とてもよく、澄んでいて、海かと思うほど、滲んでいました。

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口先三寸で世を渡り、ぶくぶくと肥え太り、隣の国のやせ細った王よりも、どうだ立派だろう、貫禄も出てきて地位も安泰、国民も安心安全暮らしが楽ちん、平穏な毎日を暮らしていた。しかしある日突然火山が爆発。あの山は安心だと言っていたのにどうしてと王。体が重くて足腰立たぬ。口だけ逃亡、逃げ遅れましたとさ。隣の国のやせ細った王、逃げてきた国民受け入れて、せっせせっせとと働き者、臣下も心配「お休みください」、王の代わりに奮起する。逃げてきた国民ようやく理解。「働き者だから痩せている」。見てくれ悪くとも、心は錦を忘れ去り、過ごした日々ももうおしまい。

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きっとそれがリアルなのかデジタルなのか、今みたいにリアルなのかテレビなのか、わからない時代がくるんだと、偉い人が言いました。言いました言いました。そうですかそうですか。きっとそれがリアルなのかデジタルなのか、今みたいにリアルなのかレポートなのか、わからないように

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