この抽象たる姿を見
君は存在せぬと吐き捨てる
当然のことを言ったまでだと
理解の糸を垂らす前に
考えることをやめるのだ
自分がどこに住んでいるのか
どこに立とうとしているのかも
わかろうとせずに
やれ感動だ
やれ才能だと
写実の奥に
見ようとする抽象を
褒め称えているのに
抽象の奥に見える
写実性を見逃すのは
箱の穴覗きにしかならない
馬鹿は動かないもの
見えた
これは四角だ
嬉しがる君の姿を
僕はぐるりと回りながら見る
どうやら春には
つくしがたくさん出てくるようだと
散歩をしていて思ったものだが
もうここにいる必要はないようだ
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