ざらりざらりと舐めとって
じりじりと削られる砂糖
じゃりじゃりと砂のように噛んで
ごりごりと骨をすり減らすよう
見えただろう
高波に飲まれていく心を
作り上げてきたものが
渦を巻いて飲み込まれていく
沈んだ紅茶の色は
熱湯の底に溜まっていき
濃さを増して濁していく
音を立てて沸騰する湯の中で
浮かぶ強欲湯だった良心
逃げ場を失う「善人」どもが
正義を押しのけ踏み潰す
グリグリと肉を取っては食いちぎる
ザワザワと這いずり回って堕落する
ドロドロと溶けて流れるケーキのように
シラシラ手もつけられぬほど
上品ぶった貴人どもが
濃い茶は飲めぬとすべて捨てた
隣人の憤慨すらも気にならぬほどの我欲で
思いなどなかったかのように
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