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名も無き言葉たち 散文 詩
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宇宙を旅しよう
紅を染めた白金をエンジンにして
結晶の形はそれぞれ
ジェット噴出
キラメキ白煙の一つ一つ

冬がやってきた
全てを染める白が凍てつく
やり残したことも
掘り下げなければいけないことも

飛ぼう
忘却を宝にして
いずれは巡り巡る
ケ・セラ・セラ

舞い踊る白の炎
宇宙の果てまで突き抜けよう
まだ行き足りない
果ては見えない

恵まれた気分で
黒を染めた白銀をエンジンにして
魂の形はそれぞれ
ジェット噴出
限られた命の一つ一つ

諦めずにやれた
全てを染める僕が染め行く
やり残したことも
掘り下げなければいけないことも

飛ぼう
忘却を宝にして
いずれは巡り巡る
ケ・セラ・セラ

舞い散る命の飛沫
次元の果てまで突き抜けよう
まだまだ足りない
果てを目指そう

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きっと過ぎ去った
過ぎ去ったのだろう
過ぎ去ったかもしれない

確認は曖昧に
確信は漠然と
確約は願望で

焼けた野のようだった
一面の枯れ葉は秋の終わり
踏みしめるごとに
死の香ばしい匂い

歌を歌えば葉は舞い上がる
一年を閉じていく伴奏
ステップと破壊音
粉々になった紅葉は果てに

きっとすり抜ける
すり抜けたのだろう
すり抜けてたかもしれない

黙認は自然に
沈黙は漠然と
沈殿はいつの日か

噛んだ小指の血の味だ
一面に肉をばら撒いて終わり
踏みしめるごとに
死の香ばしい匂い

腕を上げれば空は落ちてくる
1つ区切りをつける指揮棒
メロディーと交響曲
迷いを導き命は果てに

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黄金を散らし紅を叩き落として
冷たい手は美しく舞い踊る
闇夜の向こう側から
白い炎は一気に燃え上がり
野火よりも早く
かまいたちよりも鋭く
心を燃やして灰にする

真っ白くなった頬は
夏の情熱よりもあどけなく
誰かの口づけで染まる
誰よりも早く
キンッと張り詰めた空気で

ギュッギュッギュッ
踏みしめた痕に炎が上がる
光は差し込みダイヤモンド
天を仰いで祈りは降り積もり
粒は天上へ回り舞い上げる

枯れた黄金を踏みつぶし
削いだ肉のように紅は声も出さず
時間の向こう側から
白い炎は一気に燃え上がり
香りよりも早く
大地を爪で抉るよりも鋭く
回る地球は手を使う

漂白の円盤は
夏の棘よりも音やわらげ
誰かの歌声で染まる
誰よりも強く
キンッと張り詰めた幸せで

ギュッギュッギュッ
命を落とし痕を燃え上がらせる
キリリ張りダイヤモンドダスト
天に涙し喉は枯れ想い
指は天上へ指し震え続ける

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まだ少し酔っている間に
あなたの笑顔を残させて

雲は鱗のまま走ってる
濡れた路面を滑ってく
車はウィンカーを右へ左へ
ハンドルは迷いながら
行き詰りでしょうがなく

同じ景色は四季を重ね
同じ命は四季をすり抜け
明日に響かぬ今を
今だけを

まだ少し酔っている間に
もう一度あなたと重なって

夢は擦り減ったまま走ってる
濡れた瞳は心なくして
車はスピードを上げて信号前
ハンドルを強く握り
アスファルトは音を立てる

続く道路は声を押し殺し
続く時間は景色を次々に
曙に笑いかける今を
今だけを

まだ少し酔っている間に
もう一度笑顔で重なって

まだもう少し時間があるなら
まだもう少し思い返せるなら
まだもう少し数年留めて
まだもう少し飛ばさせて

悲鳴を掻き消す曙の中で

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闇の中
ヒトリ
カエデの紅も
朝焼けに滲んだ色も消えて
夕闇に溶けた安らぎも喰われ

掌を鉄に打ち付け散った飛沫は
波が引いて闇
血潮とともにたたずんで
声はひっそりと風に揺れて
色は抑えて
記憶に染めて
香りも 景色も

街灯に影が伸び
ヒトリ
公園の横
子供の喧騒は名残となって
携帯の明かり
ヒトリデ

冬の星座は輝かしく
巨大な街から離れた静けさ
カサリ シュラリ
乾いたカエデは踏みつぶされて

小さな闇の中
家路について
立ち止まることが怖くて
見上げた紅
過ぎ去る瞬間に
シャラリ パサリ
ひとひら落ちる

忘れた言葉を思い出して
いつしか臆病になった声を抑えて
生きるために枯れて紅
まるで矛盾のようで生きている

闇の中
ヒトリ
カエデの紅も
朝焼けに想った愛も忘れて
夕焼けに喰われた心に安らぐ

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あなたの毒になれたら
あなたを少しずつ殺せられたら
私のことを拒めず
私だけに苦しんで
私があなたを満たして
私に最後は支配されて

あなたの毒になった私は
あなたの血を巡って
あなたの脳内を変えて
あなたの心臓を掴んで
あなたの陰部を包んで
あなたの心を締め上げる

気が付かないほどの毒がいい
ゆっくりまわって
気が付いた時には手遅れで
ゆっくり増えて
気が付くほどにはっきりと
握って 潰して 塗りたくって
狂って 叫んで 名前を彫って
私はあなたの毒になる

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つい引力に導かれ君の元に来たよ
朝日眩しいこの世界で好きな声を聞いて
私目覚めて新しく走り出すよ
道の先に見える景色を追い求めて
昨日まであった暗さを振り払ったよ

昨日の話をしよう
明日の見えない希望に手を伸ばして
恋に落ちる自分も知らずに
いつか胸は締め付けられるよ

つい言葉で積み上げ夢を喉の奥にしまったよ
光眩しいあの世界で好きな声を聞いて
私共にいて一緒に走り出すよ
いつかあなたのいる景色を目指して
道の先に見える景色追い求めて

明日の話をしよう
昨日の見えない絶望を切り払って
誰かに惚れて道をなぞらえ
いつかは胸が満たされるよ

両手を差し出して
両腕を伸ばして
こぼさないように
つかみ取ろうと試みて

つい別れを積み上げようとふざけてしまったよ
命の眩しいあの世界で好きな声を聞いて
私誰かの手を引いて走り出すよ
いつかあなたが教えてくれた嬉しさ
まだ辿り着けない景色を掴んで

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黒い森を抜け
鋼鉄の馬車は走り抜ける
隣には君
何処へ行くのか馬を叩いて
雨にさらされ

暗い 暗い
光 光

いくつもの冷たい柱
見えてくる光
線を引いて消える

夜明けには遠く
知らない時間は走り抜ける
射し込んだ苦痛
心が抉られ落ちるから拾う
影にさらされ

冷たい 冷たい
明日 明日

消し炭みたいな過去
重なった過去は回り続ける
うずくまった声に
何度も拾い上げては高く
夜明けにさらして

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喉が焼けそうな液体
氷の中に沈んで
夏の毒気で溶けている

くるくる氷を指で回す
隙間の密度が詰まってくる

道化師みたいな雲間
嘲笑っているようだ
笑顔が引きつる仮面さ

くるくる命を指で回す
隙間の密度が詰まってくる

酔えなくなりそうな夜更け
無理に酒を流し込んで
腐った心でふやけている

10倍速で流す雲は素敵さ
素敵な分だけきらめいている
命を無駄に使いたがって
幸せな場所だけ切り取りたい

遠くに行ってしまったけど
感じなくなってしまっていた
近くに感じるようになったけど
感じすぎるようになった
慣習に腐って 習慣に溺れる

肉体が焼け付いていって
氷の命は溶け
箱の外へ流れ出ている

くるくる命を指で回す
隙間の密度が詰まってくる

10倍速の人生を感じさせてよ
不幸は全部切って羽だけで
私はいつでも欲しいだけ
幸せな果てへ辿り着きたい

くるくる命を指で回す
グラスの中はやがてぼやけてく

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詩をつづりました
僕の魂の言葉を誰も
「理解できない」
と言い
時には蔑まれました

ある人が現れました
「君、言葉は、この書式を通したまえ」
僕はその通りにしました

途端に理解されるようになり
途端に僕の心とは別の心が形成された

取り残されるようになった魂に
追いつこうとする筋肉の動きに

チグハグ チグハグ
アアワワ アワワア

目に見えたものを加工して
目に映らないものを伝えて

どうして僕は取り残されて
どうして僕の残像はコピーされて

大人になった人たちは
垂れ下がった綱を見上げて

どんなに訴えても
どんな景色があっても

チグハグ チグハグ
アワワア ワワアア

零れて垂れて引きずる雫
汚れとも思わずに明後日へ

どこか忘れて躍りあかして
帰るべき場所はないと言い張って

ある人が言い残しました
「あの、あなたへは、どう伝えようかわからなくて」
僕は問い続けました

詩をつづりました
影の谷間の隙間で誰もが
「理解できない」
と叫んで
時には戦いました

そのままの世界続き
「君、世界は、努力が足りなかったから……」
僕は黙れと拒絶しました

途端に悲しみに閉ざされて
途端に僕の心とは別の心が形成された

取り残されるようになった魂に
追いつこうとするぬくもりの動きに

チグハグ チグハグ
ワワワワ アアアア

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