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名も無き言葉たち 散文 詩
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熱量で気温が一日だけ上がり
後日敷き詰められて雪が降った
夢が覚めなければと酔いに溺れ
冷めた翌日には悪夢にむせた

希望が降っている
誓いもしない幻影が舞う
歌姫が満たした世界に満たされ
厳冬にも満たない世界は包まれる

甘く口づけを繰り返す世界は
表情を変えながら体を冷やす
問いを与え答えを待つ前に
夢を見た最後が甘美なように

神に祈る明日はどこに
頼りない指先が掴み損ね
生き抜くために見失った世界はどこに
かきわけようとする先の声が欲しい

暖かな日を望む炎に焼かれて
溶けゆく初雪は虚しく
積もる物も溶け散り諦めへ
人生や運命と言う言葉に埋めつつ

去らなければよかったのに
夢が続いていたのであろうに
去り行く姿を恨み辛んで
白く染まった世界を焦がし落とす

甘く広がる舌なめずりは
大地の血をすする声の証
我らが生きた大地が示す
秋を超えて重ねた白の層

どこへ行くのかわからない
見つめる場所はあるのに
あの地面へ着地したいのに
いつも風に流され別の場所

声は出せなかった雪の結晶
巻き込まれ纏われ一つに成れず
空を漂う間に心は凍り果て
諦めに満ちて地に降り積もる

地は敷き詰めて豊かに酔う
甘く緩やかな口づけの場所を
想いも描けなかった匂いへ
我らは降り立ち呼吸する

願いのような溶けゆく声の先は
大地の香りと歌に広がりし焦げ
飲み込み舞う喜びを残す
踏みしめて楽しんでくれたなら

私たちの残した音の感触を
私たちが伝えたい音の浸食を

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