窓際で君は死んでいた
青白く眠るように
光の粒を腐敗の種として
冷たい瞳は開いたままで
流れるテレビのニュースを
聞こえなくなった耳に届けている
感じなくなった皮膚を
君が飼っていた熱帯魚が
気がつきもせずになぞっている
夏の灰は空を切り刻む
降り注いだ色の破片
君の死から一日もせずに
歌うことを忘れてしまった 全てのもの
君を感情のまま抱きしめる
薄紅の唇に一番近くなって
いずれ滅び行く全てのものを
救えず自分だけ生きながらえた
後悔の園をナイフで切り分けて
涙を散らしながら地につまづく
窓際の君の死体は
美しいほどで
風になびくカーテンは
君の頬をかすめて 君を壊した
全ては元に戻らず進んでいく
きっと夢のように現実を捉えて
すべては過ぎ去った時の暗闇へと
モーターの音が部屋を満たし
冷蔵庫は動き続けている
君がやり残した全てのことは
二度とわからず閉じ込められた
見渡せば終わりゆく心だけが
ホルマリン漬けにされて
あがいた力は空へ帰り 世界は零へ
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プロフィール
HN:
光野 朝風
性別:
非公開
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