狂った世界に響く歌
美しく傷痕を残す雨
泡のよに消え 抉った空
灰色の高架下の水溜り
無邪気な足音は遠く
肌をなぞったひと時に
奪いえない定めを感じ
目をそらした瞳は深く
重なるごとに愛してた
揺れる影は溺れぬよう もがきぬく
雨を受けて流れる先で その河で
明日の乾きに悲しむ青
想い出にすがりつく残像
海など見えぬ 鉄の森
きらびやかなまやかしを手繰り寄せ
無垢さを置き去りして走る
胸にうずめたぬくもりは
取り返せない向こう岸
目をこらした瞳は何も
見えずに全てを愛してた
おとぎ話を閉じた後には
染み付いた残り香が噛みつく
笑えたはずの昨日には
真っ直ぐに伸びる銃弾の
描く冷たい月だけ残ってた
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