恐、
瞬間的に欠けたと感じ、そこで伝えることをやめようとした。
そこに病も闇も同時に存在して死体の足先に触れたような、ぞっとするような冷たさが竜巻のような渦巻く速さで伝わってくるとは思いも知らなかった。
そもそもの欠落感は何だったのだろう。
恐ろしいのか、恐喝であったのか、強烈に似た衝撃であったのか、身のすくむような自発的な反応の中、両手は体を抱いていた。
見開き顔を上げなくては何も理知の欠片すら拾ないのに、硬直するたびに欠片が落ち、落ち、ガランと音すら立てて崩落する。
スナ、ハ、マ、
産まれたての頃に見た海が大きすぎて、音がざわめきたて、おそろしいそんざいだった。
目も明けられないほどの太陽の光が波の向こうにたどり着く水平線へと馬車がゆっくり走っていきそうで。
わかっているようで、何も。
すな、がさらさらと。
だから寝そべって、あたたかな、とても、あたたかな。
手も足も使って、わしゃわしゃと暴れるでもなく、溺れるでもなく。
かいがらを見つけた。
さがしていた人がいたから、さがした。
さがしまわってつかれたから、ねころがったよ。
白い、ちいさな、しろのような、さんかくの、かいがら。
あつめ、あつめた、あつ、あ、こぼれた、ひろってくれたひとがいた。
いつも、だきしめてくれる、ひと。
わらいかけてくれる、ひと。
瞬間的に欠けたと感じ、そこで伝えることをやめようとした。
そこに病も闇も同時に存在して死体の足先に触れたような、ぞっとするような冷たさが竜巻のような渦巻く速さで伝わってくるとは思いも知らなかった。
そもそもの欠落感は何だったのだろう。
恐ろしいのか、恐喝であったのか、強烈に似た衝撃であったのか、身のすくむような自発的な反応の中、両手は体を抱いていた。
見開き顔を上げなくては何も理知の欠片すら拾ないのに、硬直するたびに欠片が落ち、落ち、ガランと音すら立てて崩落する。
スナ、ハ、マ、
産まれたての頃に見た海が大きすぎて、音がざわめきたて、おそろしいそんざいだった。
目も明けられないほどの太陽の光が波の向こうにたどり着く水平線へと馬車がゆっくり走っていきそうで。
わかっているようで、何も。
すな、がさらさらと。
だから寝そべって、あたたかな、とても、あたたかな。
手も足も使って、わしゃわしゃと暴れるでもなく、溺れるでもなく。
かいがらを見つけた。
さがしていた人がいたから、さがした。
さがしまわってつかれたから、ねころがったよ。
白い、ちいさな、しろのような、さんかくの、かいがら。
あつめ、あつめた、あつ、あ、こぼれた、ひろってくれたひとがいた。
いつも、だきしめてくれる、ひと。
わらいかけてくれる、ひと。
例えばそれは誰かに毎日否定されることである
例えばそれは誰かに必要ないと毎日言われることである
例えばそれは誰かに邪魔だと毎日言われることである
例えばそれは誰かにお前はそれでは他では生きていけないと言われることである
どこで生きていけばいいのか どこだったら生き延びられるのか
この恨みは誰かを殺すことで完結するのか
この閉塞は自分を殺すことで終わらせられるのか
自分を語ることで誰かに嫌われ
自分がわからぬままに誰かにも見放される
例えばそれは誰かへ毎日話しかけらぬことである
例えばそれは誰かと一緒にいられる手段を持たぬことである
例えばそれは誰かが得ているものを毎日欲していることである
例えばそれは誰かにお前はそれでは他では必要ないのだと言われることである
どこで生きていけばいいのか どこだったら生き延びられるのか
この侘しさは叫ぶことでは何も届くことなく終わり
この悔恨はどこまで遡れば見つけることができるのか
自分を語ることで誰かに嫌われ
自分がわからぬままに誰かにも見放される
繰り返しじゃないのに
繰り返しているのに
どこかでいつも同じようで
繰り返したくないのに
繰り返しを終わらせたい
走るごとに空回りで詰まらなくなっていく
笑うごとに道化師になり誰かと離れる
壊れて壊れて飲まれるってそういう楽しさ
笑っていられるほど馬鹿じゃないさ 空も
天から流れてるのに 朝も昼も夜も
隙間から見ようとする か ら く り の
く り か え す く り か え し
例えばそれは誰かに必要ないと毎日言われることである
例えばそれは誰かに邪魔だと毎日言われることである
例えばそれは誰かにお前はそれでは他では生きていけないと言われることである
どこで生きていけばいいのか どこだったら生き延びられるのか
この恨みは誰かを殺すことで完結するのか
この閉塞は自分を殺すことで終わらせられるのか
自分を語ることで誰かに嫌われ
自分がわからぬままに誰かにも見放される
例えばそれは誰かへ毎日話しかけらぬことである
例えばそれは誰かと一緒にいられる手段を持たぬことである
例えばそれは誰かが得ているものを毎日欲していることである
例えばそれは誰かにお前はそれでは他では必要ないのだと言われることである
どこで生きていけばいいのか どこだったら生き延びられるのか
この侘しさは叫ぶことでは何も届くことなく終わり
この悔恨はどこまで遡れば見つけることができるのか
自分を語ることで誰かに嫌われ
自分がわからぬままに誰かにも見放される
繰り返しじゃないのに
繰り返しているのに
どこかでいつも同じようで
繰り返したくないのに
繰り返しを終わらせたい
走るごとに空回りで詰まらなくなっていく
笑うごとに道化師になり誰かと離れる
壊れて壊れて飲まれるってそういう楽しさ
笑っていられるほど馬鹿じゃないさ 空も
天から流れてるのに 朝も昼も夜も
隙間から見ようとする か ら く り の
く り か え す く り か え し
あなたは旅立っていくのですね
私を置いて
いずれ小さな私の存在は思い出さず
新しい道へと行くのですね
そうでしょう
いいでしょう
それが新たな道を選ぶということなのですから
いいでしょう
そうでしょう
道筋の違う明日があるということなのですから
新しい道へと行くのですね
いずれ大きなものたちを掴もうとせんがため
私を置いて
あなたは旅立っていくのですね
遠く遠くとても遠く
思い出せないほど走り出した時
私はあなたを見送ります
振り向くなどとんでもない
振り向かずに走りゆけば
私は思い出にもならずに
苦にもならならないほど消え去り出した時
必要のないほどに消える
あなたは旅立つべきなのです
我らを忘れ
いずれ年月の日差しの強さは忘れて
月夜の調べも知るのでしょうね
そうでしょう
いいでしょう
それが新たな命を選ぶということなのですから
いいでしょう
そうでしょう
命運の違う血路があるということなのでしょうから
勇気を抱いていくのですね
いずれ困難へと立ち向かおうとせんがため
我らを置いて
あなたは旅立っていくのですね
私を置いて
いずれ小さな私の存在は思い出さず
新しい道へと行くのですね
そうでしょう
いいでしょう
それが新たな道を選ぶということなのですから
いいでしょう
そうでしょう
道筋の違う明日があるということなのですから
新しい道へと行くのですね
いずれ大きなものたちを掴もうとせんがため
私を置いて
あなたは旅立っていくのですね
遠く遠くとても遠く
思い出せないほど走り出した時
私はあなたを見送ります
振り向くなどとんでもない
振り向かずに走りゆけば
私は思い出にもならずに
苦にもならならないほど消え去り出した時
必要のないほどに消える
あなたは旅立つべきなのです
我らを忘れ
いずれ年月の日差しの強さは忘れて
月夜の調べも知るのでしょうね
そうでしょう
いいでしょう
それが新たな命を選ぶということなのですから
いいでしょう
そうでしょう
命運の違う血路があるということなのでしょうから
勇気を抱いていくのですね
いずれ困難へと立ち向かおうとせんがため
我らを置いて
あなたは旅立っていくのですね
私は私自身の許しを請えない
私は私自身を何者か知らない
空を見上げて雲間の光に心を潤わせても
私の立っている大地の土を知り尽くせない
上っ面の私は私以外のものを見つめて
中身の詰まらぬ私はいつも外へ求める
答えの見つからぬ答えを見つけようとし
惑い惑わされ迷い行き先もわからずに
抱いていたものの大事さもわからず
抱きかかえたものを捨てられもせず
笑おうとしていた励まそうとしていた
私は私自身の罪を背負えなかった
私は私自身を近くには見てなかった
涙を流して少しの慰みに心を潤わせても
あなたの立っている場所までは辿り着けない
坂を転がり落ちて私だけが傷ついていて
削れていく救いのない命は声達と離れ
誰かにしがみついて喚いていた時間を連れ戻して
迷い迷わされ千鳥足の行き先もわからずに
飲み込もうとしていたものさえ吐き出して
泣き崩れたものが何かも理解できず
誰かの手を繋ごうとした仲間だと思おうとした
光は見えているのに遠くに見える
光は当てられているのに寂しく感じる
私は見えているのに何もつかめずにいる
私はあたたかいのに
誰かの言葉が遠くて会話ができない
それでも誰かの声にしがみつきたくて
まだ命はここにある
私は私自身を何者か知らない
空を見上げて雲間の光に心を潤わせても
私の立っている大地の土を知り尽くせない
上っ面の私は私以外のものを見つめて
中身の詰まらぬ私はいつも外へ求める
答えの見つからぬ答えを見つけようとし
惑い惑わされ迷い行き先もわからずに
抱いていたものの大事さもわからず
抱きかかえたものを捨てられもせず
笑おうとしていた励まそうとしていた
私は私自身の罪を背負えなかった
私は私自身を近くには見てなかった
涙を流して少しの慰みに心を潤わせても
あなたの立っている場所までは辿り着けない
坂を転がり落ちて私だけが傷ついていて
削れていく救いのない命は声達と離れ
誰かにしがみついて喚いていた時間を連れ戻して
迷い迷わされ千鳥足の行き先もわからずに
飲み込もうとしていたものさえ吐き出して
泣き崩れたものが何かも理解できず
誰かの手を繋ごうとした仲間だと思おうとした
光は見えているのに遠くに見える
光は当てられているのに寂しく感じる
私は見えているのに何もつかめずにいる
私はあたたかいのに
誰かの言葉が遠くて会話ができない
それでも誰かの声にしがみつきたくて
まだ命はここにある
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光野 朝風
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