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名も無き言葉たち 散文 詩
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白と黒は出会い
黒は嘆きを差し出し
白は喜びを差し出した

白は黒の嘆きを食い
傷を知ろうとした
黒は白の喜びを受け
氷の身を炎で焼いた

互いに身を切り
流れる血を交わらせ
新たな世界の理を
創ろうとした

黒は直角しか知らなかった
白は円を知っていた
まったく違う理で
殺すことなく
白は黒を知ろうとする

白の世界を知らない黒は
白の世界を夢描いていた
甘くはなく
心地よくはなく
微かな香りと
芽吹く若葉だけだった
花はなく
何が見えるかもわからず
黒は白の世界に耳を傾ける

新しい世界の理は
まっさらな花園の中に創る
ここが私たちの場所だと
白は黒へと言った

黒は白を愚弄もせず
いつも浴びせる
罵声の言葉すら出せず
白の言葉に耳を傾ける

見果てぬ夢のように
桃源郷のように
眉唾で児戯めいた矛盾のように
世界の理は脆くも儚い

黒は白へ伝える
世界の絶望と悲しみを
白は黒へ伝える
世界の喜びと移り変わりを

永遠などありはしない
だからこそ
伝えるべきものを創り
我らは世界の理を創るのだと

喜びのみでは呆けてしまう
悲しみだけでは朽ちてしまう
世界は矛盾を自然に抱える
愚かさゆえの変革を繰り返す

白と黒は出会い
黒は嘆きを差し出し
白は喜びを差し出した

白は黒の嘆きを食い
傷を知ろうとした
黒は白の喜びを受け
氷の身を炎で焼いた

その形は傷つけあいのようで
まるで激しい炎であった
黒は雨を呼び白を溺れさせ
白は晴れを呼び黒を日で焼いた
その形は傷つけあいのようで
まるで激しい愛であった

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